何年ぶりだったのでしょう。10年以上は経っていますが、今年は「坂のまちアートinやつお」に出品しました。友人の切り絵作家さんに声をかけていただき、1人じゃないのであれば・・・参加してみようかな、と。いろんな思いもあって遠ざかっていたアートイベントですが、こうしてあっけなく戻ってみれば、懐かしい顔ぶれに懐かしい町並み。どうしたって「郷愁のサカマチ」になるわけです。
「今回をもって参加はやめる」という作家さんの気持ちも、また別の「しぶとく出し続ける」という作家さんの気持ちも、どちらも理解できます。若いときに参加していたときは、もっとピリピリした気持ちで臨んでいて求めるものも大きかったわけですが、10数年経って、今の私は、「それもこれもアリ」といった気持ち。
会期中、ちょっと微笑ましく思ったのは、音楽の人たちの自由さです。ゲリラライブがあったり、道で会ったタイミングでセッションの話になったり、どこか他の会場から、また別の歌声が聴こえてきて、あれはどこだ?と。
作品を競い合い、刺激し合う。それだけを求めていた昔の自分は、もっと一途な思いで臨んでいて、それはそれで切ないわけですが、バンドネオンと胡弓の音色を聴きながら、それを懐かしく思い出す、そんな10数年の年月でした。